正しい判断力
八甲田山の雪崩事故について、死者を出してしまったガイドの人の責任が問われることになるのだろうが、もし自分がそのガイドの立場であったならどうしただろうかと考える。
実際に、雪崩の危険性を見極めて、日程を取りやめたガイドさんもいるし、安全なコースに変更したガイドさんもいたらしい。そういう正しい判断ができたガイドさんにはとても敬服する。
仏教では、事象を因と縁によって暴流(ぼうる)しているものとしてとらえ考えるから、一寸先に何が起きるかわからないものとして物事の成り行きを考えることになる。その智慧によって、ある程度は事故を予見して回避する判断ができるであろう。
しかし判断をぶれさせるのが「我(自我)」だ。自分本位の思慮、損得、甘え、怠け、油断、功名心などの邪な自我意識が、正しい判断をぶれさせてしまう。だから何事も「正しい」ことをするという事には、邪な自分に「ぶれない」ことなのである。仏教では「正」とは「無偏邪」と説く。
人生ではあらゆる場面で「正しい生き方」は問われる。
青森市の八甲田山系にある前嶽(1252メートル)北側斜面で14日に山スキーのツアー客ら10人が死傷した雪崩事故で、今回の雪崩現場の真上の斜面で2日前にも真新しい雪崩の跡が見つかり、ガイドとツアー客はこれを避けて滑走中に事故に遭ったことが、青森県警の調べでわかった。
ガイドからは「雪崩現場を避けて下の方で滑った」という内容の供述が出ているといい、県警は、雪崩が起きていたことを知りながらツアーを実施したガイドらの判断に問題がなかったかどうかについて、関係者から事情を聞くなどして調べている。
県警や関係者によると、12日に見つかった雪崩は、今回の事故があった斜面よりも山頂に近い場所で、同日に起きたとみられる。雪崩の規模は幅約20メートル、長さ約50メートルとみられ、今回の現場からは100~200メートル離れていた。県警によると、ツアー客は初心者と上級者が別々のグループを作り、この雪崩の現場を避けるようにして、初心者はやや離れた緩斜面を滑った。上級者は、雪崩現場に、より近い急斜面を滑走していて雪崩が起き、上級者を中心に巻き込まれたという。県警に対し、ガイドは「雪崩は想定できなかった」などと説明しているという。
一方、14日に現場コースでツアーを開催する予定だった別のグループのガイドは、「風が強く、雪崩が起きる危険性がある」と判断し、別のコースに変更していた。こうした状況から、県警は今回のルート選択に問題がなかったかどうかを調べている。
(2月15日14時38分 読売新聞)



ガイドからは「雪崩現場を避けて下の方で滑った」という内容の供述が出ているといい、県警は、雪崩が起きていたことを知りながらツアーを実施したガイドらの判断に問題がなかったかどうかについて、関係者から事情を聞くなどして調べている。